ご挨拶
前世紀後半より都市部では,人口の地方からの流入,ふるさと文化の評価の高まりを背景に各地の民俗音楽が様々なかたちで移入伝播されてきました.例えば,東京では,1993年より東久留米市で,“東京花祭り”が行われています.このはじまりは,東京民舞研や北多摩民舞研のひとたちが,各地の民俗音楽に魅せられたことに端を発しています.また,1982年より“すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り”が継続されてきました.こちらは,エレキギターを導入するなど,盆踊り音楽の新たな展開に魅せられた前衛音楽評論家などの発案によるものでした.そして,これらはいずれも,各活動母体の拠点地域の商店街振興プロジェクトと一緒になって存続しています.他方これらの活動は,都市部居住者に端を発したものでしたが,その誕生の過程で現地における民俗芸能の故郷の地の人々との交流関係が築かれ,現地のものの継承発展に影響をおよぼしております.例えば“東京花祭り”の場合は,人口過疎化の中で あえいでいる現地山村部の元の伝承持続のためのサポート役を果たしています.他方“すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り”の場合には,毎年大阪の音頭取りの名手が東京出演を名誉に感じて来て下さっています.本年度大会では,各地の民俗音楽(民俗芸能)の都市への広がりが,故郷の地の民俗芸能の継承発展に今後いかなる役割を果たすことができるのか,東京方面の事例を検証しつつ研究協議します.多くの会員のみなさんのご参加を望みます.(大会実行委員会副委員長・星野紘)
日時
平成23年12月8日(土)・9日(日)
会場
- 東京工業大学大岡キャンパス
- 西9号館ディジタル多目的ホール (〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1)
主催
日本民俗音楽学会
内容
大会テーマ
「都市における民俗芸能の新たな展開」
民俗芸能公演
- 「東京花祭り」の映像記録の上映
- 「河内音頭」の実演(鉄砲光丸・河洲虎丸(本家鉄砲節),河洲つばさ(太鼓),京極由加(三味線),ファミリー博希(ギター))
シンポジウム
- コーディネータ: 入江宣子
- パネリスト: 広木房枝(東京花祭り実行委員長、本学会員),尾林克時(愛知県東栄町長) 鷲巣功(首都圏河内音頭推進協議会初代議長),藤井知昭,星野紘
研究発表
- 最先端の音楽音響研究における民謡研究の位置付け(河瀬彰宏)
- 石垣島における台湾移民の音楽行動 -琉球華僑総会八重山分会婦人部の活動を通して(岡部芳広)
- 富山県新湊の曳山囃子の旋律型(島添貴美子)
- 旋律分析の方法論(4) -近代の民謡として筑豊炭坑内歌はどう歌われたか(上西律子)
- 打ちはやしの音楽 -山梨県国中地域と岐阜県南西地域を例に(小野寺節子)
- 秋田県北部と中央部の「三匹獅子舞」について -演奏様式と伝承組織の比較(桂博章)
大会スケジュール
第1日目 12月8日(土)
10:00 – 11:30 理事会
12:30 - 受付開始
13:00 – 13:10 開会挨拶
13:10 ~ 16:30 研究発表
16:40 – 17:20 総会
17:40 – 19:40 懇親会
第2日目 12月9日(日)
09:00 – 09:30 受付
09:30 – 10:00 基調講演
10:10 – 12:10 民俗芸能公演
12:10 – 13:10 昼食
13:10 – 15:10 シンポジウム
15:10 - 閉会挨拶
☆大会スケジュールの時程・内容は,変更される場合があります.
大会費・懇親会費など
大会参加費
- 会員:3,000円
- 一般1日:2,000円 (学部生は1,000円)
- 一般2日:4,000円 (学部生は1,000円)
懇親会費
6,000円
2日目昼食
1,000円
☆会員の方:研究発表を希望する方は,郵便またE-MAILに(1)氏名(2)連絡先(3)発表タイトル(4)要旨200字程度(5)使用機材を明記し,お申し込み下さい.発表時間は,応募人数によりますが,20-30分(質疑,発表交替を含む)です.発表者決定後,詳細を連絡します.締切りは,8月31日(金)必着です. [受付は終了しました]
連絡先
大会問い合わせ先
- 大会実行委員会事務局長 河瀬彰宏
- info@s-jfm.org
会場案内
- 東京工業大学(東京都目黒区大岡山2-12-1)
- 大岡山キャンパス 西9号館ディジタル多目的ホール